○県立広島大学動物実験規程
平成25年3月7日
法人規程第15号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 動物実験委員会(第6条)
第3章 動物実験等の実施(第7条―第10条)
第4章 施設等(第11条―第16条)
第5章 実験動物の飼養及び保管(第17条―第26条)
第6章 安全管理(第27条?第28条)
第7章 教育訓練(第29条)
第8章 自己点検?評価及び検証(第30条)
第9章 情報公開(第31条)
第10章 雑則(第32条?第33条)
附則
第1章 総則
(趣旨及び基本原則)
第1条 この規程は、県立広島大学(以下「本学」という。)における動物実験等を適正に行うことに関し必要な事項を定めるものとする。
2 動物実験等については、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)、動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)及び日本学術会議が定める動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(以下「ガイドライン」という。)その他関係法令等に定めがあるもののほか、この規程の定めるところによる。
3 動物実験等の実施に当たっては、法、飼養保管基準、基本方針、ガイドラインその他の関係法令に則し、動物実験の基本原則である次の3Rに基づき、適正に実施しなければならない。
(1) 代替法の利用(Replacement) 科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。
(2) 使用数の削減(Reduction) 科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により、実験動物を適切に利用することに配慮することをいう。
(3) 苦痛の軽減(Refinement) 科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によらなければならないことをいう。
(1) 動物実験等 実験動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他科学上の利用に供することをいう。
(2) 飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼育し、若しくは保管し、又は動物実験等を行う施設?設備をいう。
(3) 実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う動物実験室をいう。
(4) 施設等 実験動物の飼育若しくは保管又は動物実験を行う施設をいう。
(5) 実験動物 動物実験等の利用に供するため、施設等で飼育し、又は保管している哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類及び魚類に属する動物(施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
(6) 動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。
(7) 動物実験実施者 動物実験等を実施する者をいう。
(8) 動物実験責任者 動物実験実施者のうち、動物実験等の実施に関する業務を統括する者をいう。
(9) 管理者 学長の命を受け、実験動物及び施設等を管理する各部局の長をいう。
(10) 実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有する教員で、管理者を補佐し、実験動物の管理を担当するものをいう。
(11) 飼養者 実験動物管理者又は動物実験実施者の下で実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。
(適用範囲)
第3条 この規程は、本学において実施される哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類及び魚類に属する動物の生体を用いる全ての動物実験等に適用される。
2 動物実験責任者は、本学以外の機関に動物実験等の実施を委託する場合は、委託先においても、基本指針その他の関係法令等に基づいて動物実験等が実施されることを確認しなければならない。
(学長の責務)
第4条 学長は、本学における動物実験等の実施に関する最終的な責任を有するとともに、動物実験等の実施状況の把握及び動物実験等が適正に実施されるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(部局長の責務)
第5条 部局長は、当該部局内で動物実験等を行おうとするときは、実験動物管理者を置き、実験動物による危害防止に必要な措置を講ずるなどして、管理者として動物実験の円滑な実施に努めなければならない。
第2章 動物実験委員会
(動物実験委員会)
第6条 学長は、動物実験計画の承認、実施状況及び結果の把握、施設等の承認、教育訓練、自己点検?評価、情報公開並びに、その他動物実験等の適正な実施に関して報告又は助言を行うため、動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会の組織、議事その他必要な事項は、別に定める。
第3章 動物実験等の実施
(実験計画の立案)
第7条 動物実験責任者は、次に掲げる事項を踏まえて動物実験計画を立案する。
(1) 研究の学術的、教育的な意義及び必要性
(2) 実験動物を使用しない代替の研究方法の検討
(3) 実験動物の使用する個体数を最小限にする努力を行う。すなわち、研究の目的に最適な動物種を選定し、データの妥当性及び信頼性を保証でき得る最低限の個体数を用いる。
(4) 実験動物の遺伝学的及び微生物学的品質を適切な水準に保つ。
(5) 動物福祉を考慮し、適切な飼養条件を維持する。
(6) 実験動物に与える苦痛が最低限になるように努力する。研究の遂行上必須の手技?場面以外では動物に苦痛を与えない。
(7) 実験動物に強い苦痛を与える可能性がある実験(致死的な毒性試験、感染実験、放射線照射実験、強い疼痛や無麻酔で侵襲を加える実験等)を行う場合は、動物実験等を計画する段階で、動物福祉を遵守したエンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミング)の設定を行う。
2 動物実験計画の立案及び実験方法の検討に当たっては、動物実験の範囲を教育?研究に必要な最小限度にとどめるため、委員会委員など動物実験の専門家に助言を求め、有効かつ適切な実験を行うよう努めなければならない。
(実験計画書の提出、審査、成果の報告、証明書の請求等の手続等)
第8条 動物実験責任者が動物実験を行うに当たっては、動物実験の具体的な実施計画を記入した動物実験計画書(様式第1号)を学長へ提出しなければならない。
2 動物実験責任者が動物実験計画の内容を変更するに当たっては、速やかに動物実験計画変更承認申請書(様式第2号)を学長に提出しなければならない。
3 学長は、前2項に規定する書類の提出があったときは、動物実験委員会に付議し、その結果を動物実験責任者に通知するものとする。
5 学長は、前項の異議の申立てがあった場合は、委員会に再度付議し、その結果を動物実験責任者に通知するものとする。
6 動物実験責任者は、学長の承認を受けた後でなければ動物実験を行うことができない。
8 動物実験責任者が年度をまたいで実験を継続する場合は、学長は、年度末に動物実験責任者に対して動物実験の自己点検票の提出を求めることができる。
9 動物実験実施者が動物実験に関する論文、著書、学会発表等を行った場合は、事由の発生後、速やかに動物実験成果報告書(様式第6号)を学長に提出する義務を負う。
10 研究に係る論文等の発表又は研究助成申請のために動物実験計画の審査証明書が必要な者は、動物実験計画審査証明請求書(様式第7号)を学長に提出しなければならない。
(実験操作)
第9条 動物実験実施者は、動物実験等の実施に当たっては、法、飼養保管基準及び指針等に則するとともに、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 適切に維持管理された施設等において動物実験等を行うこと。
(2) 動物実験計画書に記載された事項及び次に掲げる事項を遵守すること。
ア 適切な麻酔薬、鎮痛薬等の利用
イ 実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む)の配慮
ウ 適切な術後管理
エ 適切な安楽死の選択
(3) 安全管理に注意を払うべき実験(物理的?化学的に危険な材料、病原体又は遺伝子組換え生物等を用いる実験)については、関係法令等及び本学における関係規程等に従うこと。
(4) 物理的、科学的に危険な材料又は病原体等を扱う動物実験等について、安全のための適切な施設や設備を確保すること。
(5) 実験の実施に先立ち、必要な実験手技等の習得に努めること。
(実験終了後の処置等)
第10条 動物実験責任者は、実験を終了し、又は中止した後、動物を処分する場合は、致死量以上の麻酔薬の投与又は頚椎脱臼等によって、苦痛を与えないよう速やかに処置しなければならない。
2 動物実験責任者は、動物の死体については、人及び他の実験動物の健康及び生活環境を損なうことのないよう、適切に処置しなければならない。
第4章 施設等
(飼養保管施設の設置)
第11条 飼養保管施設を設置(変更を含む。)する場合は、管理者が飼養保管施設設置承認申請書(様式第8号)を提出し、学長の承認を得るものとする。
2 飼養保管施設の管理者は、学長の承認を得た飼養保管施設でなければ、当該飼養保管施設での飼養若しくは保管又は動物実験等を行うことができない。
3 学長は、申請された飼養保管施設を委員会に調査させ、その助言により、承認又は非承認を決定すること。
(飼養保管施設の要件)
第12条 飼養保管施設は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
(1) 適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造等とすること。
(2) 動物種や飼養保管数等に応じた飼育設備を有すること。
(3) 床や内壁などが清掃、消毒等が容易な構造で、器材の洗浄や消毒等を行う衛生設備を有すること。
(4) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有すること。
(5) 臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
(6) 実験動物管理者が置かれていること。
(実験室の設置)
第13条 飼養保管施設以外において、実験室を設置(変更を含む。)する場合は、管理者が実験室設置承認申請書(様式第9号)を提出し、学長の承認を得るものとする。
2 学長は、申請された実験室を委員会に調査させ、その助言により、承認又は非承認を決定すること。
3 実験室の管理者は、学長の承認を得た実験室でなければ、当該実験室での動物実験等(48時間以内の一時的保管を含む。)を行うことができない。
(実験室の要件)
第14条 実験室は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
(1) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境が維持されていること。
(2) 排泄物や血液等による汚染に対して清掃や消毒が容易な構造であること。
(3) 常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
(施設及び設備の整備)
第15条 学長は、動物実験を適正かつ円滑に実施するために必要な施設?設備の整備等の条件整備に努めなければならない。
(施設等の廃止)
第16条 管理者は、施設等を廃止しようとするときは、施設等(飼養保管施設?実験室)廃止届(様式第10号)を学長に提出しなければならない。
2 管理者は、飼養保管施設を廃止しようとするときは、実験責任者と協力し、飼養保管中の実験動物を他の飼養保管施設に譲り渡すよう努めなければならない。
第5章 実験動物の飼養及び保管
(マニュアルの作成及び周知)
第17条 実験動物管理者は、飼養保管のマニュアルを定め、動物実験実施者及び飼養者に周知しなければならない。
(実験動物の健康及び安全の保持)
第18条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者(以下「実験動物管理者等」という。)は、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。
(実験動物の導入)
第19条 実験動物管理者は、実験動物の導入に当たっては、関係法令や指針等に基づき適正に管理されている機関から導入しなければならない。
2 実験動物管理者は、実験動物の導入に当たり、適切な検疫、隔離飼育等を行わなければならない。
3 実験動物管理者は、実験動物の飼養環境への順化?順応を図るための必要な措置を講じなければならない。
(給餌?給水)
第20条 実験動物管理者等は、実験動物の生理、生態及び習性等に応じて、適切に給餌?給水を行わなければならない。
(健康管理)
第21条 実験動物管理者等は、実験目的以外の傷害や疾病を予防するため、実験動物に必要な健康管理を行わなければならない。
2 実験動物管理者等は、実験動物が実験目的以外の傷害を被り、又は疾病にかかったときは、適切な治療等を行わなければならない。
(異種又は複数動物の飼育)
第22条 実験動物管理者等は、異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養し、又は保管するときは、その組み合わせを考慮した収容を行わなければならない。
(記録の保管及び報告)
第23条 動物実験責任者は、実験動物の入手先、飼育履歴及び病歴等に関して、実験動物飼養保管記録簿(様式第11号)により記録し、保管しなければならない。
2 実験動物管理者は、年度毎に、飼養保管した実験動物の種類及び数等について、実験動物飼養保管報告書(様式第12号)により所属するキャンパスの委員会に報告しなければならない。
(譲渡の際の情報提供)
第24条 実験動物管理者は、実験動物の譲渡に当たっては、その特性、飼養保管の方法及び感染性疾病等に関する情報を提供しなければならない。
(輸送)
第25条 実験動物管理者は、実験動物の輸送に当たっては、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保並びに人への危害防止に努めなければならない。
(実験動物飼養保管状況の点検等)
第26条 実験動物管理者は、日常の点検業務、飼養保管の記録、設備の保守点検記録等を参考に、実験動物飼養保管状況の自己点検票(様式第13号)を1年に1回以上作成し、委員会に報告しなければならない。
3 前項の規定による記録は、その内容により必要と判断される場合は、委員会を経て学長に報告するものとする。
第6章 安全管理
(危害防止)
第27条 管理者は、逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めなければならない。
2 管理者は、人に危害を加える等のおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には、速やかに関係機関へ連絡しなければならない。
3 管理者は、実験動物由来の感染症及び実験動物による咬傷等に対する予防策を実施するとともに、発生時には必要な措置を講じなければならない。
4 管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は、人への危害の発生を防止するため、飼養保管基準に基づき必要な事項を別に定めなければならない。
5 管理者は、実験動物の飼養や動物実験等の実施に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じなければならない。
(緊急時の対応)
第28条 管理者は、地震、火災等の緊急時にとるべき措置をあらかじめ定め、関係者に対して周知を図らなければならない。
2 管理者は、緊急事態発生時において、実験動物の保護及び実験動物の逸走による危害防止に努めなければならない。
3 緊急事態発生時の具体的な対応計画については、別に定める。
第7章 教育訓練
(教育訓練)
第29条 管理者は、実験動物管理者等に、次に掲げる事項に関する所定の教育訓練を受けさせなければならない。
(1) 関係法令、国の定める指針等及び本学の定める規程等
(2) 動物実験等の方法及び実験動物の取扱いに関する基本的事項
(3) 実験動物の飼養保管に関する基本的事項
(4) 安全確保、安全管理に関する事項
(5) 人獣共通感染症に関する事項
(6) 施設等の利用に関する事項
(7) その他動物実験等の適切な実施に関する事項
2 委員会は、教育訓練の実施日、教育内容、講師及び受講者名を記録し、教育訓練実施記録票(様式第15号)により、保管しなければならない。
第8章 自己点検?評価及び検証
(自己点検?評価?検証)
第30条 学長は、委員会に、基本指針への適合性に関する自己点検?評価を行わせなければならない。
2 委員会は、キャンパス内の動物実験等の実施状況等に関する自己点検?評価を毎年度行い、自己点検?評価報告書(様式第16号)により、その結果を学長に報告しなければならない。
3 委員会は、実験者、管理者及び飼養者等に、自己点検?評価のための資料を提出させることができる。
4 学長は、自己点検?評価の結果について、学外の者による検証を受けるように努めなければならない。
第9章 情報公開
(情報公開)
第31条 学長は、本学における、動物実験等に関する情報で、研究上の秘密に属しない項目(動物実験計画の審査状況、使用実験動物数、動物実験施設延べ利用者数、教育訓練実施状況、研究成果等)について毎年1回程度公表する。
第10章 雑則
(準用)
第32条 第2条第5号に定める実験動物以外の動物を使用する動物実験等については、飼養保管基準の趣旨に沿って行うよう努めるものとする。
(その他)
第33条 この規程に定めるもののほか、動物実験等に関し必要な事項は、学長が別に定める。
附則
この規程は、平成25年4月1日から施行する。
附則
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
附則
この規程は、平成29年4月1日から施行する。
附則(中国足彩网3年法人規程第91号)
この規程は、中国足彩网3年4月1日から施行する。
附則(中国足彩网3年法人規程第129号)
この規程は、中国足彩网3年8月1日から施行する。